総長挨拶

HOSEI2030とは、法政大学が初めて策定した長期ビジョンのことです。

法政大学は2014年度後半から、HOSEI2030の策定を始めました。財政基盤を検討する委員会、キャンパスの再構築を検討する委員会、ダイバーシティを実現するための委員会、そして、ブランディングを継続するための委員会、その4つの委員会を柱にしました。

そのほかにも、大学のガバナンスを改革するために、副学長制度を作り、役員制度のありかたを検討し変更しました。なかでももっとも大きな成果は、本学で初めて大学憲章を制定し、新しいミッション・ビジョンを作り上げたことです。この大学憲章には「自由を生き抜く実践知」というタイトルをかかげ、これを本学の教育研究上の「約束」としました。自由と、それを実現するための、現実に結びついた知性の育成こそが、本学の役割だからです。

今後の法政大学の改革は、これら憲章とミッション・ビジョンに沿って進められます。私立大学は一方で国の教育政策とともに歩みますが、それより大切なのは、それぞれの大学の特性、個性を活かすことです。HOSEI2030は、法政大学ならではの研究と教育を発展させるためのビジョンです。

HOSEI2030の構想・ビジョンの策定は2015年度末に終了し、2016年度からは、実施に移すために16のアクション・プラン作業部会を発足させました。グローバル化への道筋はすでに軌道に乗っていましたので、教学改革のための「大括り化」や「オンライン化」、社会人教育やアクティブラーニングなど、新しい教育理念を実現しつつ、3キャンパスと3付属校を、より個性的に発展させるための作業部会です。これらの作業部会が、何を実施すべきか提言したのが、2016年度末に出された、アクション・プラン最終報告です。

ここまでは、HOSEI2030策定委員会が全体の進捗を把握してきました。策定委員会は2016年度末をもって解散しました。そして2017年度、アクション・プランを実施に移すためのHOSEI2030推進本部を作ります。この推進本部ではアクション・プラン報告を踏まえ、まず理事会で中期経営計画の策定に取り組み、今後4年間に実施すべきことを確定し、具体的実施に入っていきます。その中心になるのは、教学改革を進めるための「キャンパス再構築」の部会です。この部会には、市ヶ谷、多摩、小金井の3キャンパスそれぞれの課題に取り組み、また3キャンパスの将来像を具体的に描く、3つのワークキング・グループが含まれます。

それぞれのキャンパスには早急に解決すべき課題があり、それを乗り越えねばなりません。さらに、それぞれのキャンパスにふさわしい教育と研究を、大学全体でどう作り上げるか、その将来像を具体的かつ詳細に描く必要があります。「キャンパス再配置アクション・プラン報告」で、財政および改革によって可能な再配置の与件を提示しました。今後はさらに、中期経営計画を練り、様々な実施が財政的な裏付けとともに進むようにしていきます。法政大学では、改革にあたって、学内との意思疎通や合意形成を重視し、丁寧に取り組んできました。今後もその方法を守るつもりです。

法政大学は今、多くの若者がめざす日本有数の大学ですが、同時に、日本の大学から世界の大学に、その位置づけを変えつつあります。法政大学の質がさらに高まり、社会に貢献できるよう、教職員一丸となって、2030年の法政大学をめざして参ります。

2017年4月
法政大学総長
田中優子

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